問 遺産分割協議をすることになりました。
兄が全てを相続して、他の兄弟である私たちはハンコ代をもらうことになります。
ところで、はんこ代って何ですか?
答 遺産分割の方法は大きく分けて3つあります。
相続人が3人いたと仮定します。
?現物分割 財産を直接3つに分けて受け取る
?換価分割 財産をお金に換えてその金額を3等分する
?代償分割 財産を相続人のうち一人(あるいは複数)が受け取って、
受け取らなかった相続人には受け取った相続人が金銭で支払いをする。
ハンコ代は?の代償分割で、受け取らなかった相続人に渡す代償としての金銭のことです。
遺産分割協議書というものを遺産分割の時に作成しますが、かならず相続人全員の実印が押印されることが必要です。
遺産分割協議書に実印を押してもらうことになるので「ハンコ代」と言うのでしょう。
相場というのもよく聞かれることの一つです。
「受け取る相続人が納得できるような額」としかいいようがありません。
財産がどれくらいの金額のものか、相続税は考慮しなくていいのか、
他の相続人の生活状況はどうなのか、被相続人の介護の分担はどうだったのかなど、
いろいろな状況を総合的に判断して相続人の間で最終的に決定します。
大切なポイントとして、ハンコ代も必ず遺産分割協議書に記載してください。
いざ、ハンコ代をもらう際には文書としての証拠がなければ、
払う側から払ってもらえないリスクがあります。
記載が漏れてしまい、遺産分割後のお金のやりとりということになりますと
「贈与税」という相続税より税率のかなり高い税金の
対象になってしまうことになりかねないからです。